子どもが成長すると、親の知らない「友達との世界」が広がります。 「仲良くできてるかな?」「トラブルに巻き込まれてないかな?」 仕事で息子のそばにいられない時間が多いシングルマザーだからこそ、その不安は人一倍でした。
もちろん、親がすべてをコントロールはできません。 でも私は一度、息子の「小さなSOS」に気づきながらも、親の価値観を押し付け、危うく息子の心を閉ざさせかけてしまった、苦い経験があります。
この記事は、私がその失敗から「親として本当にすべきこと」を学んだ、体験談です。
異変の始まり:「ママ、今日は一人でいた」
当時の状況:夕食時の「違和感」
我が家では、学校の宿題サポート の流れで、夕食の時間は「学校であったことを話す時間」と決めています。 いつもは「今日〇〇くんとドッジボールした!」と賑やかな息子が、その日はやけに口数が少なかったのです。
「今日は誰と遊んだの?」 「……別に。一人でいた」 「え、なんで? 〇〇くんは?」 「……遊ばない」
胸がザワつきました。「いじめ?」「仲間外れ?」 シングルマザーである私の「不安」が一気に膨れ上がりました。 「私の育て方のせい?」「父親がいないから、弱く見られてる?」
私の“最悪”の対応:「親の価値観」を押し付けた
私は、落ち込んだときに私が気持ちを切り替えた方法 とは真逆の行動に出てしまいました。 冷静さを失い、息子を問い詰めてしまったのです。
「ケンカしたの? あなたが何か悪いこと言ったんじゃないの?」 「ちゃんと謝らないとダメだよ!」 「ママが先生に電話しようか?」
息子は、泣きそうな顔で下を向き、 「……もういい! ママには関係ない!」 そう叫んで、自分の部屋に閉じこもってしまいました。
私が学んだこと:「聞く」と「待つ」
失敗:「母親失格」の夜
最悪でした。 息子は「助けて」のサインを出していたのに、私は「犯人探し」と「世間体」を優先して、息子をさらに追い詰めてしまった。 「ああ、母親として完璧じゃなくてもいい はずなのに、私はまた完璧な“解決”を押し付けようとした」 私は、息子の部屋の前で、ただ謝ることしかできませんでした。
転機:「息子の言葉」を信じる
翌日。 私は、息子に「昨日は感情的になってごめんね」と謝りました。 そして、「ママは、あなたの味方だから、何があっても大丈夫。でも、話したくないなら、話さなくていい」と伝えました。
数日後、夕食の時に、息子がぽつりと言いました。 「〇〇くん、僕のこと『ウザい』って。だから遊ばない」
私は、言い返したい気持ちをぐっとこらえ、「そうだったんだね。それは嫌だったね」と、ただ「受け止める」ことに徹しました。 「否定せずに聞く」。これだけを心がけました。
すると、息子は「でもね、△△くんが『こっちで遊ぼう』って言ってくれた」と、続けてくれました。 息子は、私が心配していたよりずっと強く、彼自身の世界で、ちゃんと問題を乗り越えようとしていたのです。
この一件から生まれた「我が家のルール」
あの「介入しそうになった日」の失敗から、私は「親の役割」を学び直し、我が家のルールを決めました。
- ルール1:家は「安全基地」にする 学校で何があっても、家は「安心して本音を話せる場所」にすること。 そのために、私が笑顔で「おかえり」と言えるよう、シングルマザーの朝のルーティン で時間を作り、心に余裕を持つことを最優先にしました。
- ルール2:「17時半」の門限 友達とのトラブルは、だらだらと遊び続けることで起こりやすくなります。 「17時半には必ず帰る」。このルールを友達にも共有することで、「生活リズム」と「安全」の両方を守るようにしました。
- ルール3:親は「挨拶」を欠かさない 私ができることは、息子を管理することではなく、「息子の周りの環境」を良くすること。 公園や道で会う友達、その親御さんには、必ず「笑顔で、ワントーン上げて」挨拶する。 「あのママ、感じいいな」と思ってもらえれば、いざという時、息子も助けてもらいやすくなると信じています。
まとめ:親は「答え」を与えるのではなく、「一緒に考える」存在
子どもの友達付き合いは、親が管理できるものではありません。 トラブルや失敗も含めて、すべてが彼らの「学び」です。 シングルマザーとして不安になることもありますが、親ができるのは、「環境を整えること」と、「いつでも話を聞くよ」という「安全基地」で在り続けること。
あの日、息子の「友達関係」に土足で踏み込もうとした私。 でも、彼が子どもの自己肯定感を育てる関わり方 を私に教えてくれました。 「信じて、待つこと」 それが、友達付き合いを見守る親にとって、一番大切なことだと実感しています。もなり、私自身も子どもから学ぶことがたくさんあります。この記事が、同じように友達関係で悩んでいる方の参考になれば嬉しいです。
