「自分の時間なんて、今は無理」 シングルマザーとして日々を綱渡りする中で、私はずっとそう思っていました。 仕事、家事、育児。すべてが「私」にのしかかる。 仕事と家事を両立するために私が取り入れた小さな工夫 をしても、朝のルーティン を整えても、息子の「ママ、ママ!」という呼び声から逃れられる瞬間はありませんでした。
この記事は、「時間管理術」のマニュアルではありません。 私が「自分時間ゼロ」のイライラで子どもに当たってしまった失敗から、どうやって「罪悪感なく」休む仕組みを作ったか、その「体験談」です。
私の失敗:「10分だけ」が取れずに爆発した日
あの日の状況:たった1冊の本が読みたかった
それは、疲れ果てた平日の夜でした。 息子はリビングでおもちゃを広げ、私は「今日こそ、10分だけ」と、読みかけの本を開きました。
「ママ、これ見て!」 「すごいね。でもママ、今から10分だけ本読むからね」 「わかったー」
その2分後。 「ママ、のどかわいた」 私はため息をつき、お茶を淹れました。
席に戻って、さらに3分後。 「ママ、このレゴ、取れない」 「さっき10分って言ったよね!?」 私は、つい声を荒げてしまいました。息子は、泣きそうな顔で固まっています。
自己嫌悪:「私、母親失格だ」
最悪でした。 子どもの友達付き合い の話を聞く余裕もなく、イライラをぶつけてしまった。 たった10分。子どもを我慢させられない自分の「時間の作り方」が下手なせいで、息子を傷つけてしまった。 「私は、母親失格だ…」
転機:「時間」は、仕組みで作るもの
その夜、私は「もうこのままではダメだ」と思いました。 「時間が空いたら休む」という考え方が、そもそも間違っている。 子どもの宿題サポート と同じで、「仕組み」を先に作らなければ、親子の時間は守れない。
そこで、私は息子と「会議」を開き、「親子のための、優しいルール」を作りました。
私が発明した「親子で笑顔になる」4つのルール
ルール1:「見ればわかる」合図を作る
私が「10分休む」と言葉で伝えても、子どもには伝わっていなかった。 そこで、「見た目でわかる」合図を決めました。
- ママが「ヘッドホン」をして、机に「30分だけひとり時間」のカードを置いたら、「集中モード」の合図。
これで、「今は話しかけちゃダメな時間なんだ」と、息子も視覚で理解できるようになりました。
ルール2:「緊急事態」の合図を決める
「でも、ママ! もし怪我したらどうするの!」 息子の不安は当然です。 そこで、「緊急の合図」も決めました。
- 本当に困った時(ケガ・火・水・トイレなど)は、「肩をトントンと2回叩く」こと。
「ママ!」と大声で呼ばれると私の心臓が止まるので(笑)、この「静かな合図」は、私のお守りにもなりました。
ルール3:「子どものタスクカード」を用意する
「ママが集中モードの時、僕は何をすればいいの?」 この問いが、一番の鍵でした。 私は、息子が「一人でできること」を箱に入れ、「タスクカード」を作りました。
- (例)「折り紙でゾウさんを作る」「レゴで橋を作る」「絵本を2冊、声に出して読む」
「ママの時間中は、このカードから1つ選んでね」と。 これで、息子も「退屈」から解放されました。
ルール4:「交代ルール」で罪悪感を消す
そして、私が最もこだわったのが、このルールです。 「ママだけ休んでズルい」と息子に思わせたくないし、私自身も「罪悪感」を感じたくなかった。
- ママの30分が終わったら、今度は「あなたの30分」だよ。
- 「トランプ7回勝負」「公園で自転車1周」「シャボン玉」など、今度は私が息子に全力で付き合う。
これは「ご褒美」ではなく「交代」です。 このルールのおかげで、私は「休む罪悪感」から解放されました。 (※子どもと過ごす休日の工夫 のネタも、ここで使っています)
まとめ:罪悪感を手放し、「仕組み」を信じる
この「優しいルール」を始めてから、我が家は劇的に変わりました。 私は「火・木・土の19:30」と、カレンダーに「自分時間」を予約しました。
うまくいかない日も、もちろんあります。 割り込まれたらタイマーを止め、続きはまた明日。 大切なのは「完璧に30分休む」ことではなく、「休もうとする仕組みがある」という安心感です。
「自分の時間なんて無理」 そう思っている方にこそ、試してみてほしい。 罪悪感は、仕組みで消せます。 その30分が、残りの23時間半を笑顔にしてくれることを、私はこの体験から学びました。
