シングルマザーにとって、子どもと過ごす休日は特別な時間です。 ですが同時に、「どこに連れて行こう?」「あまりお金をかけられない…」という悩みは常につきまといます。
私が一番胸が痛んだのは、息子が保育園で、お友達が家族で行ったであろうディズニーランドの話を嬉しそうに聞いた後、私に「ママ、うちはなんでディズニーランド行けないの?」と無邪気に尋ねてきた時です。
「ごめんね、今はお金がないから」とは言えず、「今度ね」と曖昧に笑うしかありませんでした。 「豪華なレジャー施設に連れて行ってあげられない」「“普通”の家庭と同じ体験をさせてあげられない」 そんな罪悪感で、一時期は休日が来るのが怖かったほどです。
ですが、そんな私が試行錯誤の末にたどり着いたのは、「豪華さ」ではなく「特別感」を演出することでした。 この記事では、私が実際に「お金をかけられない罪悪感」を乗り越え、息子の「宝物」になったと確信している、具体的な休日の過ごし方をご紹介します。
1. 「いつもの公園」を「特別イベント」に変えた“ゼロ円ピクニック”
私の失敗:ただ公園に連れて行くだけの休日
最初は、「お金がかからないから」という理由だけで、近所の公園に連れて行っていました。 しかし、そこでも私は「こんなところでごめんね」という罪悪感から、心から楽しめていませんでした。子どもは敏感です。私が楽しくなさそうだと、息子もすぐに「帰る」と言い出しました。
私がやったこと:「スペシャル・ピクニック」と名付ける
そこで私は、ただの公園遊びを「イベント化」することにしました。
- 名前をつける: 「明日は『スペシャル・ピクニック』の日だよ!」と前日から宣言します。
- 買い出し: 前日にスーパーに行き、「100円だけ、好きなおやつを選んでいいよ」と息子に選ばせます。これだけで息子は大興奮。
- お弁当: 豪華なものは作りません。でも、息子のリクエストだった「タコさんウィンナー」と「星形のポテト(冷凍)」だけは必ず入れました。普段の食事では手間がかかって出さないものだからこそ、特別感が出ます。
- アイテム: IKEAで買った赤と白のチェックのレジャーシートを「ピクニック専用」と決めました。これを敷くだけで、「いつもの公園」が「ピクニック会場」に変わるのです。
ボールやシャボン玉で遊んだ後、レジャーシートを広げてタコさんウィンナーを頬張る息子の笑顔を見たとき、「ああ、これで良かったんだ」と心から思えました。
2. 月に一度の「おうち映画館」と「クッション秘密基地」
私の状況:動画配信サービスも契約していなかった
雨の日は最悪でした。外に出られず、家でテレビを見せるだけ。 当時はNetflixなどの動画配信サービスも「月額料金がもったいない」と契約しておらず、息子の「つまんない」という言葉にイライラしていました。
私がやったこと:図書館のDVDと「ポップコーン」
そこで始めたのが、月に一度の「おうち映画館」です。
- 作品選び: 地域の図書館に行き、息子に「観たいDVDを1本だけ選んでおいで」と伝えます。(図書館はDVDも無料で借りられる、最高のレジャースポットです)
- 会場設営: リビングの電気を消し、カーテンを閉め切って部屋を真っ暗にします。そして、ソファのクッションを全部床に下ろし、毛布をかけて「秘密基地(テント)を作りました。
- チケットと売店: カルディで買った「レンジで作るポップコーン」を「映画館のポップコーン」と呼び、紙コップに入れた麦茶とセットで息子に渡します。
息子は「秘密基地」の中でポップコーンを食べながらDVDを観る、という体験に夢中でした。 大事なのは「何を観るか」ではなく、「どういう状況で観るか」だったのです。
この「おうち時間」の工夫は、忙しい中でも自分の気持ちをリセットするヒントになりました。 (※私のリフレッシュ方法については、一人の時間を大切にするためにしていること の記事も参考にしてみてください)
3. 「お手伝い」を「遊び」に変える
私の葛藤:「遊んであげる時間がない」
平日に家事が溜まっていると、休日でも洗濯や掃除に追われ、「ごめん、今ママ忙しいから」と息子の遊び相手になれない罪悪感がありました。
私がやったこと:「お洗濯たたみ競争」
ある日、私がうんざりしながら洗濯物をたたんでいると、息子が「やりたい」と言い出しました。 そこで私は「じゃあ、どっちが早くたためるか競争しよう!」と提案しました。
息子は「やったー!」と、ぐちゃぐちゃながらも一生懸命に自分のTシャツをたため始めました。 「すごい!ママより早いかも!」と褒めると、彼はとても誇らしげな顔をしました。
料理も「野菜を洗う係」「卵を割る係」など、できることだけを「任命」しました。 私にとっては「家事」でも、息子にとっては「ママと一緒に何かを成し遂げる遊び」だったのです。
この経験は、子どもの成長で嬉しかった瞬間 の記事で書いた「自分でできた!」という喜びにも繋がっていると感じます。
まとめ:息子の絵が教えてくれた「本当の宝物」
「豪華な場所に行けないから、私はダメな母親だ」 私はずっとそう思い込んでいました。
でもある日、息子が保育園で描いた絵を見て、その考えが間違っていたことに気づかされました。 その絵は、ディズニーランドの絵ではありませんでした。
公園の、あの赤と白のチェックのレジャーシートの上で、私と息子が二人で笑いながら、タコさんウィンナーを食べている絵だったのです。
息子にとっての宝物は、高額なチケットやアトラクションではなく、「ママが笑顔で、自分と一緒に全力で遊んでくれた時間」でした。
この気づきこそが、母親として完璧じゃなくてもいいと思えた瞬間 であり、私のシングルマザーとしての子育ての「軸」になりました。
お金をかけない休日は、母親にとっても無理がなく、心の余裕につながります。そして、子どもにとっては「お母さんと一緒に過ごした時間」こそが、何よりの幸せなのです。
