習い事の選び方で私が意識したポイント

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子どもの習い事を考え始めたとき、私は焦っていました。 「シングルマザーだから、子どもに不自由な思いをさせたくない」 「将来、息子が学歴や経歴で困らないように、何か『武器』になるものを身につけさせなければ」

その思い込みから、私が最初に選んだのは、近所でも評判の「ピアノ教室」でした。 月謝は8,000円。当時の私には大きな負担でしたが、「将来のため」と自分に言い聞かせ、体験教室に連れて行きました。

この記事は、「おすすめの習い事リスト」ではありません。 私が「親のエゴ」で習い事を選んで失敗し、息子の「本当にやりたい」を見つけるまでを記録した、試行錯誤の体験談です。


目次

私の失敗:月謝8,000円のピアノ教室と、息子の「無表情」

なぜ「ピアノ」だったのか?

理由は単純で、「私がやらせたかったから」です。 「男の子がピアノを弾けたら素敵だ」「教養が身につく」…。 すべて、親である私の願望でした。

体験教室の日、息子は最初こそ物珍しそうにしていましたが、すぐに飽きてしまい、椅子から降りようとしました。 私は「ダメでしょ!」と無理やり座らせ、先生に「この子は集中力がなくて…」と謝りました。 息子の「やりたい」という気持ちを、完全に無視していたのです。

地獄だった「送迎の車」と3ヶ月目の決断

それでも私は「続ければ楽しくなるはず」と、入会を決めました。 月謝8,000円。教材費が別途1万円。 しかし、現実は最悪でした。

レッスンが近づくと息子は「行きたくない」と泣き出します。 私は「お金を払ってるんだから!」と怒鳴りつけ、無理やり車に乗せる。 レッスン中も集中できず、先生にため息をつかれる。 そして、帰り道。車の中は、親子の気まずい沈黙でいっぱいでした。

送迎の負担も重く、仕事から帰ってバタバタと連れて行くと、夕食は20時を過ぎます。 (※この時の生活の破綻ぶりは、一人の時間を大切にするためにしていること の記事で書いた「余裕のなさ」そのものでした)

3ヶ月が経った頃、月謝の引き落とし通知を見て、私はハッとしました。 「私は、何のためにこんなにお金を払って、親子で不幸になっているんだろう?」 私はその日の夜、泣きながら先生に「辞めます」と電話をしました。


転機:「目が輝く」とは、こういうことか。

ピアノの失敗から半年。私は「習い事はもうこりごりだ」と思っていました。 そんな時、息子が保育園から一枚のチラシを持ってきたのです。

それは、地域の公民館が主催する**「子ども体操教室」**の案内でした。 月謝は、たったの2,000円。

月謝2,000円の「体操教室」での衝撃

「どうせ続かないだろうな…」 私は期待せず、体験教室に連れて行きました。

ピアノ教室での無表情が嘘のように、息子は、目を爛々と輝かせていました。 マット運動で、他の子が失敗するのをゲラゲラ笑い、自分が挑戦して頭から転んでも、また立ち上がって列に並ぶ。 汗だくで、泥だらけで、でも、心の底から楽しそうに笑っていたのです。

その息子の顔を見たとき、私は「ああ、これだったんだ」と、涙が出そうになりました。 子どもの成長で嬉しかった瞬間 の記事で書いた「喜び」とは、まさにこの瞬間のことでした。

送迎の負担で失敗した「スイミング」の教訓

実は、体操教室の前に、別の「スイミングスクール」も検討しました。 そこは有名な教室でしたが、家から車で30分。 ピアノの送迎で疲弊した私は、「通いやすさ=続けやすさ」だと痛感していました。 (※頑張りすぎないを意識してから心が軽くなった話 にもあるように、親が無理をすると必ず破綻します)

その点、体操教室は自宅から自転車で10分。送迎が全く苦になりませんでした。


H2:私の「習い事選び」3つの基準

ピアノでの大失敗と、体操教室での成功。 この両極端な体験から、私なりの「習い事選びの基準」ができました。

  1. 基準1:「将来のため」より「今、目が輝くか」 親の「将来役立つから」という下心は、子どもに見抜かれます。子どもが「今、やりたい!」と夢中になれることこそが、結果的に「続ける力」や「心の成長」という、将来の武器になると知りました。
  2. 基準2:「1年以上、無理なく払えるか・通えるか」 家計や送迎の負担は、ボディブローのように効いてきます。シングルマザーだからこそ、「見栄」を捨て、「現実的」に続けられる月謝と距離を選ぶ勇気が必要でした。
  3. 基準3:「辞める」は「失敗」ではなく「選び直し」 ピアノを辞めた時、私は「8,000円×3ヶ月=24,000円」をドブに捨てた、と自分を責めました。 でも、あの失敗があったからこそ、「息子が何に興味がないか」が分かり、体操教室の「輝き」に気づけたのです。

    「合わなければ辞めていい」。そう思うことが、母親として完璧じゃなくてもいい という心の余裕につながりました。

まとめ:息子が教えてくれた「本当に価値あるもの」

習い事を通じて得られるのは、技術や知識だけではありません。 月謝8,000円のピアノでは得られなかった「自己肯定感」や「挑戦する楽しさ」を、息子は月謝2,000円の体操教室で、全身で学んでいます。

シングルマザーだからこそ「全部やってあげられない」と焦る気持ちは、今でもあります。 でも、子どもにとっては、高額な月謝や立派なスキルよりも、「ママ、僕これやりたい!」と親子で話し合い、「できたね!」と一緒に喜んでくれる過程そのものが、大切なのだと気づきました。

この記事が、これから習い事を考える方の「焦り」を「楽しみ」に変える、小さなきっかけになれば嬉しいです。

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